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この週末は、日本放送作家協会が主催する「東京作家大学」にて、ネットから作家(著者)になるプロセスについて講義をさせてもらった。金曜が3コマに土曜が1コマの計4コマ。

大手小説投稿サイトの月間PVは約10億

現在の出版業界は年間500〜800億円ペースで市場規模が縮小するという状況が継続しているのだが、そんな中でも「ネットの人気コンテンツの書籍化」は、鉄板かつ売上拡大中である。

以前のエントリーでも書いたように、小説投稿サイトを運営し書籍化することに特化している出版社・アルファポリスは、右肩上がりで成長し東証マザーズに上場。7億円以上の経常利益を出していて、売上高300億円(現在は22億円)を目指すと息巻いている。

鉄板かつ売上拡大中ということは、才能と注目が集まっているということでもある。実際、大手小説投稿サイト「E★エブリスタ」と「小説家になろう」には出版社が群がっており、次々に作品が書籍化されている。

両サイトともに月間PVは約10億あるらしい。作品投稿数も桁違いで(「E★エブリスタ」は220万作品、「小説家になろう」は28万作品)、作家デビューの窓口としてはもはや無視できないだろう。

デビューのプロセスとしても、投稿した作品の人気が出る→書籍化とシンプルだ。公募のように「受賞作より俺の作品のほうがすばらしい。ちゃんと俺の作品を読んでいないのではないか」的なダークサイドに落ちることがない(人気が出なくてへこむことはもちろんあるだろうが)。

ユーザーは若いが書籍の購入者は30〜40代が中心

ただ、小説投稿サイトはユーザーの年齢層が低いため(20代以下が大半)、比較的年齢層が高めの東京作家大学の受講生には、あまり興味を持ってもらえないかもという懸念があった。ジャンルも、多様化してきたとはいえライトノベルが圧倒的である。

でも、圧倒的なPV数と、書籍化されたコンテンツの購入者は30〜40代がメインというのを知って、かなりの方が興味を持ってくれたようで良かった。

ライトノベル以外のジャンルも小説投稿サイトでもっと人気が出てくれるといいのだが、これはもう少し年数がかかりそうな気がしている。

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(2016年1月22日追記)「東京作家大学」では、現在来期受講生を募集中。1月28&29日には、人気放送作家・高橋秀樹氏(1月28日13時半〜)、花輪如一氏(1月28日19時〜)、藤井青銅氏(1月29日13時半〜)による無料体験講義も開講される(最寄駅は「渋谷」)。体験講義の申込みはこちらから。

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