以前のエントリーで、体に良い働きをする菌(善玉菌)=プロバイオティクスの摂取は、効果は期待できるものの、相性や一過性という問題があることを紹介した。
そこで、現在新たに注目を集めているのが、プロバイオティクスだけでなく、”プレ”バイオティクスも摂取するという考え方だ。プレバイオティクスは、腸内細菌のエサとなり酵素づくりを促進する食べ物のことを指す。
体内にいる善玉菌を活性化
プレバイオティクスは、すでに体内に定着している善玉菌を活性化するため、プロバイオティクスが持っている相性や一過性という問題がなく、誰でも一定以上の効果が期待できるのが特徴だ。
・プロバイオティクス……体に良い働きをする菌
・プレバイオティクス……腸内細菌のエサとなり酵素づくりを促進する食べ物
今回も、高畑宗明博士の『「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない』(講談社+α新書)をベースに、プレバイオティクスを解説していく。
「食物繊維」「オリゴ糖」「オメガ3系脂肪酸」が効果的
主なプレバイオティクスは下記の3つだ。
・食物繊維
食物繊維は大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉菌による酵素づくりを促します。食物繊維には、水溶性と不溶性があります。大麦、海藻、山芋などに含まれる水溶性食物繊維は、消化吸収のスピードをゆるめて血糖値の上昇や吸収を抑えてくれます。不溶性食物繊維は、玄米、豆類、根菜などに多く、大腸で水分や老廃物を吸着して便のかさを増し、腸を刺激してぜん動運動を活発にします。
・オリゴ糖(糖質)
近年、糖質制限ダイエットなどが流行し、糖質の摂取量を減らす傾向があります。もちろん、肥満や糖尿病予防としては有効ですが、普通の生活で過度に糖質を制限するのは禁物です。なぜなら、腸内細菌の主な栄養源は糖質だからです。中でも、米などの穀物や豆類に含まれる難消化性でんぷんやオリゴ糖は、人間の小腸では吸収されずに大腸の腸内細菌の栄養源になります。とり過ぎも問題ですが、糖質もある程度は食事にとり入れるようにしましょう。
・オメガ3系脂肪酸
魚から摂取できるDHAやEPA、亜麻仁油、えごま油などに多く含まれるα−リノレン酸があります。腸の潤滑剤になることで排便を促し、善玉菌の酵素を活発にします。引用:高畑宗明『「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない』(講談社+α新書)
身近なものが多いので、誰でも今日から実践できるのではないだろうか。
もしかしたら、糖質制限ダイエットをしていて、ドキッとした方もいるかもしれない。腸内環境は体の健康全てに関わっていると言っても過言ではなく、健康的に痩せたいなら、ダイエット中でも多少の糖質は摂るようにするのがおすすめだ。