イワタニのフッ素加工たこ焼きプレートを買って以来、たこ焼きパーティを自宅でやるようになった。稀にある家飲みでも、積極的につまみとして焼き立てを提供している。
たこ焼きが焼き上がるまでの4つのステップ
定期的に焼いているうちに、たこ焼きは哲学的ではないかという考えが生まれた。焼きながら語ったこともあるのだが、ネタとしてここでもシェアしたい。
たこ焼きは端的にいうと「1.油をひいて生地を流し込む」「2.具を入れる」「3.ひっくり返す(140度くらい)」「4.真円になるようにもう一度ひっくり返す(はみ出た部分を下にする)」という4ステップで焼き上がる。
真円になる前に必ず一度いびつになる
注目すべきは3のプロセスで、生地が穴から飛び出た状態になるため、最初は失敗したようにしか見えなかった(生地を入れすぎたかと思った)。
しかし、諦めずにまわし続けると、はみ出た部分は穴に収まり、真円に近づいていく(むしろ、はみ出る部分がないと真円にならない)。慣れてくると、3のあとはひとまわしで完成に持っていけるようになる。
焼く度によみがえるプロジェクトの思い出
この過程が、どことなくプロジェクトがうまくいくプロセスに似ているのである。
何をするにしてもそうかもしれないが、プロジェクトにトラブルはつきものだ。出版あるあるだと、スタッフが急に失踪したり、「やっぱりできません」と言い出したりすることが多々ある。自戒の念を込めて言うが、思ったように原稿が仕上がらないことも日常茶飯事だ。
それでもめげずに業務を遂行していくと、気づけば作品は完成に近づいている。完成後は、トラブルだって良い思い出になる(ならないこともあるが……)。
すぐにしぼんでしまうのも粋
大げさに言うと、たこ焼きは続けることの醍醐味を教えてくれる。焼き上げた真円が2分くらいでしぼんでしまうのも、盛者必衰を表しているようでなんだか良い。関東人にも、一家にひとつ、たこ焼きプレートを推奨したい。