先日、加工食品や肉が食べたくなくなるドキュメンタリーとして評判の映画『フード・インク』を観た。以前紹介した『ハウスワイフ2.0』にて、主婦がオーガニックに目覚める要因として挙げられていた作品でもある。
恐るべきトウモロコシの汎用性
この映画では、食の工場化が進んだことによる倫理の問題と、モンサント等の食を扱う巨大な多国籍企業の問題を扱っている。下記は予告編。
本作で打ち出されているメッセージのひとつが、世界はトウモロコシ(と大豆)に支配されているという構図である。
加工食品には、甘味料や添加物も含めて、ほぼトウモロコシ由来の原料が入っている。また、家畜や魚もトウモロコシで飼育されている。
なぜハンバーガーが野菜より安いのか
なぜ食品にトウモロコシが使われまくっているかというと、圧倒的に安いからである。本当に安いわけではなくて、多国籍企業の働きかけにより、アメリカ政府が補助金を払うことで、生産コストを下げている。
そうして生まれた異常に低コストなトウモロコシで、今度は加工食品や肉が安く工業的に生産される。すると、ファストフードのハンバーガーが野菜より安いというおかしな状況がつくられる(最近は暴露されつつあるが、その生産現場は見ると食欲がなくなるので基本的に隠される)。
この流れに抗うために、本作では、なるべくオーガニックなものを買うことが推奨されている(理想的には、やはり無肥料無農薬なのだろうか)。
忙しいと自炊自体がなかなか難しいが、TPPやトランス脂肪酸の問題などもあり(スーパーで海外産のものを見る機会は増えた気がする)、改めて食について考えるいいタイミングなのかもしれない。