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出版科学研究所が、2015年の出版物販売額の見通しを発表した。推定金額は前年から840億円減少の1兆5200億円で、過去最大の落ち込みが確実視されている。2013年からの3年で、約2100億円の縮小となる。ちなみに、映画興行の市場規模が約2000億円。

中古市場の整備と図書館の充実も一因

要因としてコンテンツの多様化などが指摘されるが、書籍に関しては、中古市場が整備され過ぎたのも大きい。発売から数カ月経つとAmazonでも中古(マーケットプレイス)が潤沢に供給されるし、ブックオフなどの新古書店も、たいてい近所にあるレベルにまで普及した。

読めればいい人は安価な中古を買い、そのコストも払いたくない人は図書館で予約するという流れが加速している。まわりを見てもそれを強く感じるので、新潮社等が主張する新刊の貸し出し規制を行えば、ある程度は効果がありそうだ。

雑誌に関しては、8%以上の落ち込みと底を打つ気配がない。雑誌読み放題サービス「dマガジン」(某出版社の週刊誌は年間2億円程度の収益分配があるとのこと)は好調らしいので、「週刊アスキー」のようにデジタルだけに移行する雑誌も増えていくだろう。

取次大手も赤字に転落

2017年には1兆4000億円程度の市場になると予想されていたが、順調にその数字に近づいていて切ない。先日は取次(出版流通)大手の日販が赤字決算を発表して、衝撃が走ったばかり。古い体制が維持されている出版業界も、いよいよ大きく変わる時期が来たのだろうか。

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