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私が講談社時代に最初に編集した本が、このアーヴィン・ラズロ『CosMos』だった(紙の本は現在絶版なのでリンクはkindle版)。著者のラズロ博士は、ダライ・ラマやミハイル・ゴルバチョフ、ムハマド・ユヌスなどノーベル平和賞受賞者7人を会員に持つブタペストクラブの会長。ピアニストであり、哲学者であり、科学者でもある。三菱地所がラズロ博士の講演を日本で開催するのに合わせた翻訳プロジェクトで、急ピッチで作業を行ったのをよく覚えている。

私たちは何を知っているのか?

私は宇宙の専門家でもなんでもなく、翻訳が上がってくる度に少なからず衝撃を受けていたのだが、それを象徴するのが次の記述だ。

「宇宙の性質や歴史について現在受け入れられている理論で説明できるのは、観測によって示唆される物質・エネルギーの4%程度にとどまっているのです」

つまり、宇宙の96%はよくわかっていないということだ。よくわからないものは、「ダークマター」「ダークエネルギー」などと呼ばれている。

また、世界を素粒子レベルで観測すると、不確定なことに満ちていることも知った。観察者が素粒子の位置を特定できればできるほど運動量の情報は減っていき、観察者が運動量の情報を得るほど、位置は特定できなくなる。つまり、素粒子レベルでは、物質が消えたり現れたりするのである(ちなみに、レーザーや半導体開発に役立ってきたというこの不確定性原理も、一部修正の動きがある)

ラズロ博士の宇宙観

その視点で考えると、この宇宙は観測者である私たちみんながつくりあげているのかもしれないということだ。そして、ラズロ博士が本書で提示しているのは、微細なレベルで全てがつながっているという宇宙観である。

そう考えたほうが、説明がつくことが多いということだが、現実の私たちは日々、分断を強く感じている。本サイトでは、この問題について、今後より深く掘り下げていく予定だ。

余談だが、来日時にラズロ博士とディナーをともにした知人は(私もラズロ博士と須藤元気氏との対談を収録した後、ランチをご一緒する機会に恵まれた)、「神はいるだろうか」という質問を投げかけたらしい。ラズロ博士の答えは「I don’t know.」だったそうだ。

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